ユートピアがウエストチェスターH(米G3・ダート8f)にM.ルジー騎手騎乗で出走するようですがなぜ移籍してからレースに出てこなかったかわかる方いらっしゃいますか?
1.競馬の命令基準が異なる
2.大切な血統である
3.日本とアメリカで走らせるには根本的な肉体構造が違う
この3つが大きな理由です。
1.命令基準とは、競馬とは国によって多少合図が異なります。もちろん追う、鞭を入れる、ゲートから出るという一連の基本動作に違いはありませんが、世界の厩舎、騎手によってはいくつもの命令を覚えさせることがあります。例えば首筋を叩かれると「割って入れ」だとか。微妙な違いではありますが、短距離で走る馬ともなれば、小さなミスが命取り、それが超一流の間で走るともなれば取り返しの付かない事となりかねません。ゴドルフィン流の長期間休養で完璧を作り上げる手段ですね。ディスクリートキャットも同じように、成長を促し、競走馬として大成させるためにじっくり調教を重ねています。ざんねんながら、ディスクリートキャットは喉に腫瘍が見つかったとの事ですから、もしかするとユートピアがディスクリートキャットの穴を埋めるのでは?大それた予測をしてみたり。
2.大切な血統とは、もともとユートピアの父であるフォーティナイナーは、米国でも有数の良血馬として、強い馬を送り込んでいます。その中で現れたのが、地元ドバイの舞台で完勝し、殿下をはじめ、マクトゥーム家に大きな衝撃を与えたのがユートピアでした。種牡馬として未来を作るために、ユートピアのトレードが行われています。もちろん、今のままでは全体的な価値としては希薄ですから、米国の競争で走らせ、一つでも価値のあるGIを取らせて引退させようというのが方針のようです。必ずしも、強い馬から強い馬が生産される訳ではない競馬の世界においては、血統というとても大切な」ファクターがあり、ユートピアの血統は世界的にも評価が高いものであります。父は言うまでもなく世界的良血馬、母は日本の大種牡馬ノーザンテーストであり、互いの血統を辿ればノーザンダンサー、ニアークティック、ネアルコ、ナタルマ、ネイティヴダンサー、レディアンジェラ、ハイペリオン、トムフール、ボールドルーラー、ナスルーラ、メノウ、スワップスといった、特にスピードに長ける馬たちの血が詰まっています。そして何よりも世界的ブリーダーが重視する強いインブリード、ネアルコの4x5に加え、名牝レディアンジェラの4x3までもが組み込まれた、エルコンドルパサーのような血統です。
3.根本的な肉体構造が違うとは、そのままです。カーペットの上を走るのと、芝の上を走るのを、砂場の上を走るのでは全く筋肉の使い方、走るフォームなど全てが異なると思います。これまでユートピアは日本の競馬をしてきましたが、これからはアメリカの競馬をしなければなりません。ドバイの馬場は非常に固いことで有名ですが、それに次いでアメリカの馬場もカーペットのようにハードコーティングされた固馬場の上に、土を2~5cmの敷き詰めた高速馬場です。日本の芝ダートとは全く異なる異質の足元を走ることになります。何より、相手はトップレベルの馬ですから、不利だのあれば間違いなく返り討ちにされてしまいますから、こういった馬場への適合を見計らった調教が12月半ばより本格的に始まっています。約1年間を基盤調教、そして本格調教へと慣らされています。幸いゴドルフィンには米国各地で活躍するダート巧者がいますので、そういった馬たちを手本に、フォームなどの微調整をしていた模様です。
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